カナモリ・スマートフォームとは
- 地下室防水工事において主流とされてきた「地下内壁二重壁工法」は、多くの工数と掘削量を必要とする非常に効率の悪い工法でした。
そのような非効率性を改善するため、当社は二重壁を不要とし、施工工数を飛躍的に削減する革新的な工法として、「カナモリ・スマートフォーム」を開発いたしました。
カナモリ・スマートフォームの特徴
施工スピードを飛躍的に向上 樹脂素材(硬質塩化ビニール)のため、切断、穴加工、釘打ち、たたき作業などの加工が容易で衝撃にも強く割れにくいため、施工スピードが飛躍的に向上します。
軽量化と高強度を同時に実現し防水性と断熱性を向上 プラスチックスと特殊不織布で構成した中空構造のため、軽量なのに高強度の曲げ剛性を実現しています。又、特殊不織布がフレッシュコンクリートの余剰水を排出するため躯体防水性能を高めます。また、二重の空気層を持っているため断熱性もあります。
スマートフォームの材料物性
仕上げ用の下地材として利用可能 コンクリート打設後、そのまま仕上げ用の下地材になるので、ビス施工、GL工法の施工など、様々な仕上げ工事が可能です。
内装仕上げ
従来の二重壁工法との比較
- カナモリ・スマートフォームは、従来の二重壁工法と同様に、壁に排水空間を形成し、水を無理にせき止めることなく下方へと流すので、確実に防水できます。
カナモリ・スマートフォームの機能概念モデル
- プラスチック原料である硬質塩化ビニールを材質とした厚み32mmの中空ハニカム構造パネルを躯体(壁面)と一体化しクラックから発生した湧水をパネル導水層から湧水ピットへ流し込みます。
カナモリ・スマートフォームの製品仕様
スマートフォームの材料物性
試験項目 | 単位 | 温度 (℃) | スマート フォーム | 12mm合板 (参考) | 備考 | |
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強度 | 曲げ剛性(縦方向) | (KN・m²)/m | 40 | 1.268 | 1.078 | |
許容曲げ応力 | KN・m² | 29400 | 23520 | |||
断面係数 | cm² | 18.5 | 14.4 | |||
衝撃性 | 1kg×1m | 0 | 問題なし | 問題なし | JISA1421 衝撃試験 | |
釘引抜強度 | N/材質厚み | 23 | 58 | 145 | JISZ2121 クギ引抜試験 | |
ビス引抜強度 | N/材質厚み | 23 | 314 | 〃 | ||
コンクリート貼付性 | N/mm² | 0.392 | JISA1613 引張接着強さ試験 | |||
熱 | 熱抵抗値 | (m²・K)/W | 30 | 0.35 | JISA1420 (温度は平均温度) | |
線膨張率 | ×10-5/K | 5 | ||||
火 | 燃焼性 | 可燃性 | 火を離せば消える(自消性) | |||
その他 | 重量 | kg/m² | 7.1 | 9.5(サン木重量含む) | ||
耐薬品性 | 良好 | アルカリ、酸、海水、10%洗剤 |
形状仕様
色 | ベージュ |
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材質 | 耐衝撃性硬質塩化ビニル ポリエステル系不織布 |
関連役物 (オプション) | カタログ7~9頁参照 |
項目 | 単位 | 性能 |
---|---|---|
幅、厚み | mm | 600幅、32厚 |
長さ | mm | 2000mm~4500mm まで対応致します。 |
重量 | kg/m² | 7.1 |
設計上の注意事項
階段でスマートフォームを使用する場合は必ず板階段、鉄骨階段を採用してください。
片持ちRC階段の場合は階段スラブによりスマートフォームが上下に分断されるため排水溝を形成しなければならず、施工が煩雑になります。
やむを得ない場合は階段上部だけ躯体完成後に後貼り工事で施工してください。
カナモリ・スマートフォームの標準施工法
標準施工図
1) 梁部納まり標準図
2) 床部納まり標準図
※ 上記①仕様における排水溝部分の断面欠損については、地中梁の増打ち又はスラブの増打ちで対応して下さい。
3) 柱部納まり標準図
壁端部、柱部の納まり仕様には下記3タイプがあります。
要求される防水性能に応じて御選択下さい。
4) フォームタイ・バタ材取付け全体図
※ 縦ばたの締付は必ずダブルで行い、シングル用金物は使わないで下さい。
5) フォームタイ・バタ材取付け標準図(横断図)
※ セパレーターピッチ(横方向)は、パネル(600mm巾)1枚につき、1ヶ所を基本とします。
内装仕上例
(1)内装制限等のない箇所
※ 本仕上の場合、塗装方法、塗料の種類によっては、スマートフォームの縦筋やセパ穴処理シール等が表面に見えることがあります。
① 吹付け、塗装
スマートフォームの接合テープを剥がし、室内表面側をきれいに清掃する。セパ穴をパテ又は、防水性のシールで塞いだ後、ジョイント目地部等の凹凸部をパテ(合成樹脂エマルション系)、又はコーキング剤等で平滑にし、下地調整(シーラー処理等)を施した後、吹付材・塗料にて仕上げを行う。
② クロス仕上げ
スマートフォームの室内表面側をきれいに清掃した後、セパ穴、ジョイント目地部を吹付け塗装と同様の方法にて塞ぎ、ゴム系、エポキシ系接着材等で、ベニア板等を捨て張りする。その後は、通常の施工法にてクロスを仕上げる。
(2)内装制限にかかっている箇所(仕上げ=準不燃以上)
① ビス施工
② GL工法
スマートフォームの接合テープをはがし、表面をきれいに清掃した後、パテ等でセパ穴を塞ぎ、発泡ウレタン断熱材用プライマーを塗布しGLボンド、石膏ボードを施工する。
③ 断熱仕様
スマートフォームの接合テープをはがし、表面を清掃後、パテ等でセパ穴を塞ぎ、当社推奨のプライマーを塗布し、ウレタン吹付材を表面に吹付ける。断熱材の仕上げは、GL工法等で所定のボード仕上を行う。
(3)地下街等仕様(下地共不燃材以上が要求される箇所)
軽量鉄骨組
※ ボードとスマートフォームとの間の空間に、内部結露の発生する可能性がある環境条件の場合は、断熱材等を施工し、内部結露の発生を防止して下さい。
後貼り工事
躯体完成後、アンカーで留めて後貼り施工もできます。
また、改修工事でも、地下湧水対策に活用されています。
施工は熟練した指定工事店をご紹介致します。
カタログ・データのダウンロード
スマートフォーム 納まり図ダウンロード
ダウンロードデータについて |
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CADデータを加えました。設計図面の作図にお役に立ててください。 下記のCADアイコンをクリックするとデーターで開くことができます。 |
後貼り工法 | ||
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後貼り工法カタログ |
内装仕上げ | ||
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塗装・吹付け材等 | ||
クロス | ||
ケイ酸カルシウム板ビス止め | ||
GL工法 | 1)GL工法 | |
2)断熱材仕様 | ||
グラスウールピン止め | ||
タイル | ||
軽鉄軸組+ボード仕上げ | 1)一般仕様 | |
2)断熱材仕様 |
特殊部分 | |
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複数地下階の水抜き部納まり | |
設備等の取り付け納まり例 | |
コンセント、スイッチボックス等の納まり例 | |
開口部納まり |